人生は自己満足劇場ブログ

自己満足MAXの人生を記録します。

ブラックカード

② 青森県「津軽」の旅。AIに太宰治風でリライトしてもらった

青森、二日目の朝。

宿の寝台にて目を覚ませば、既に十時。

慌てて身支度を済ませ、弘前駅へ向かう。

市内を循環する百円バスに乗車。

このバスは一方通行ゆえ、逆回り無し。

弘前市役所や病院、公園などを巡り、弘前駅へ到着。

バスでは交通機関用のICカードが使えた。

乗車時と降車時に、機械に翳せば良い。

青森ではバスでの移動が多いゆえ、ICカードは重宝しそう。

 

本日はアップルランドという湯治宿に投宿するまでの

三時までの時間を弘前で過ごすため、

駅構内の貸し棚に荷物を預ける。

近頃は貸し棚もICカードで支払いが出来るゆえ、

多めにチャージしておいてよかった。

 

先ずは朝食として林檎の焼き菓子でも食べようと喫茶店を探す。

駅前のホテルの一階にある喫茶店

林檎の焼き菓子も美味そうであったが、

純喫茶の珈琲が飲みたくなり、少し歩いた所に店を見つける。

 

店の黒板には、林檎の焼き菓子は売り切れとあったが、

入ってみることにする。

塵一つ無い店内。掃除が行き届いている。

店に無駄なものが無い。これだけで良き店と分かる。

 

品書きを見れば、珈琲というより紅茶が充実している様子。

スコーンがあり、好物のクロテッドクリームが添えられているという。

クロテッドクリームを使っているとは、本格的ではないか。

注文することにする。

そして、タルトタタン。ラムレーズンのアイスが添えられている。

これも注文する。結局、二つ頼んでしまった。

先にスコーンが来た。一口食べれば、さくっとした歯触り。

これは!美味い。

スコーンといえば、ぼそぼそとしたものが多い中、

この軽やかな歯触り。

もしかして、この店、相当な腕前なのではないか。

紅茶も美味。

タルトタタンが来た。美しい見た目。

匙を刺せば、焦げ目がかりっとしている。

濃厚。煮詰めたりんごが濃厚。

ラムレーズン氷菓の方が、却ってさっぱりとしている。

この濃厚なタルトタタンに合わせるため、

敢えて軽くしているのか。

ハーゲンダッツのような濃厚さは無いが、

このさっぱりとしたラムレーズン氷菓も美味。

 

この組み合わせは紅茶が進む。

進み過ぎて、飲み物が無くなってしまった。

珈琲を注文する。注文してすぐ出てきた。

すぐ出てきたゆえ、既成の珈琲を温めただけかと思いきや、ちゃんと美味い。

しかし、タルトタタンやスコーンに合うのは紅茶だ。

林檎の果実味やジャムの風味が、珈琲だと強すぎてかき消される。

紅茶だと、口の中で混ざり合い、更に美味しくなる。

これからは、林檎の菓子には必ず紅茶を合わせよう。

いや、この店は素晴らしい満足感を得られた。再び訪れたい。

 

 

そろそろ本日宿泊する宿の送迎バスが来るため、

貸し棚から荷物を取り出す。

本日は夕食無しゆえ、何か買って行こうと駅を見渡せば、駅弁の屋台がある。

蕎麦屋が作った郷土料理を盛り込んだ弁当や、

津軽の食材を使った惣菜などが売られている。

パンフレットを見れば、これらは「津軽弁」というらしい。

津軽の弁当、津軽弁

津軽弁とは、津軽地方で昔から受け継がれてきた郷土料理や津軽に住む人が普段食べている家庭料理、創作料理など地元の食材を使用した、津軽の味力がぎっしりつまった弁当のことです」

 

とある。

その中で私は「ひとくちだらけ」という弁当を購入。

 

送迎バスに乗り、今宵の宿へ到着。

窓から見える観音様とまぶしい夕焼けを拝む。

 

先ずは湯治。林檎がぷかぷか浮かぶ湯船に浸かる。

たくさんの林檎が寄ってくるのが妙に嬉しい。

林檎は毎日取り替えているとのこと。

甘酸っぱい香りに包まれ、林檎風呂でゆったりと寛ぐ。

 

湯上がり、空腹ゆえ早速「津軽弁」を頂く。

津軽めんこい懐石弁当「ひとくちだらけ」。

二十四種の一口大の料理が綺麗に並んでいる。

どれどれ、先ずは太宰も好んだ若布のおにぎりから頂こうか。


県民のソウルフード

源タレ(醤油、味噌、塩の三種)を用いたおかず、

香りが異なると評判の県名産の菊の和え物、

B級グルメイカ下足と野菜の揚げ物「イカメンチ」、

生姜味噌の蒟蒻おでん、

昔から津軽で作られていた鮭の飯寿司、

天然の紫蘇で色漬けした津軽の伝統料理である寿司子、

紫蘇の葉で茄子と味噌を巻いて焼いた茄子紫蘇巻き、

名産の帆立は唐揚げや酢の物、煮物など様々な調理法で。

そして、津軽の伝統菓子である南瓜餅。

 

これだけの種類を一口ずつ味わえるお得感と、どれもが美味かった。

これは買う価値あり。

おまけに昨夜持ち帰った葡萄酒と合わせたゆえ、

酒の肴として楽しめた。

宿で一人、静かに食す晩餐は良いものだとしみじみ思う。

 

 

夜十時までは談話室にて酒が飲めるとのことで、

酒場の気分で訪れてみる。

そこには林檎の日本酒、シードル、林檎ジュースと、

林檎の国の面目躍如たる品揃え。

 

一通り頂いたが、林檎ジュースが殊の外美味い。

人生最高の味。この上なく新鮮。水代わりに頂くことにする。

 

他に発泡葡萄酒があったので、林檎ジュースと混ぜて飲む。

濃厚な林檎酒のようで、甚だ美味い。

 

肴には、青森らしい菓子が色々とある。

帆立バター味のうまい棒、煎餅、源タレ味のナッツ、濃厚チーズのじゃり豆…。

酒が進む。

これぞ此度の旅に求めていた酒と湯治の極楽。

この宿、再訪決定。

 

ふかふかの寝具で眠り、朝は林檎尽くしの朝食。

青森の郷土料理もあり、完全制覇出来る。

八戸の郷土料理であるせんべい汁(肉や野菜で取った出汁に南部煎餅を割り入れて煮込む)、彩り野菜のサラダには青森の新鮮な野菜が大集合。

 

林檎のマリネ、南八甲田高原野菜のブロッコリー、大根、

平川市のサラダチンゲン菜。

林檎梅肉和え、林檎フレンチトースト、そして林檎ゼリーも。

 

その中で一番美味しくておかわりしたのが「林檎の冷製スープ」。

林檎汁で作った白い林檎のスープ。

生クリームが入っているのだろうか。この上なく滑らかな舌触り。

林檎の香りと甘さ、コクのあるスープ。何杯でも飲める。

 

林檎ジュース飲み比べコーナーには、

陸奥王林の二種が用意されている。

青森に来て初めて知ったが、

林檎ジュースとは、単なる一括りではなく、

ワインのように品種ごとに分かれているものらしい。

 

談話室で飲んだ林檎汁があまりにも美味かったゆえ、

土産物屋で売っている林檎汁を買おうと、店員に

「これは談話室で飲んだのと同じものでしょうか」と尋ねれば、

大きく首を横に振り、

「全然違います!談話室のはブレンドで、

色々な品種が混ざって飲みやすいタイプなんですけど、

これは陸奥だけで作った林檎ジュースです」

 

そんなに大きな違いがあるのかと驚く。

ボルドーのようなブレンドタイプと、

ブルゴーニュのような単一品種に分かれているのだな。

更に細かく言えば、林檎だけで作っているか、

添加物を加えているかで味が変わるらしい。

添加物を加えていると酸味が出るそう。

此方の宿の林檎汁は無添加で、実に新鮮さを感じる。

林檎汁は奥が深い。